あんた。

日常に溶け馴染む五感

エクストリーム伝説

 

 


寝静まったかのように見せかけの

光、差し込む居酒屋街

 

 

セミの泣き声が朝からうるさい

 

主は知らぬ間に夏にいた

 

 

 


元々、姿かたち

音も匂いも知らないない方が良かったのか、

 

 

それとも有ったものが

崩れ溶けてゆくのを

目の当たりにしなければならない方が良かったのか

 

 

 

よくわからないけど

どちらも寿命を削る音がする

 

 

それと同時に

今日も己を生かしていることを自覚する

 

 

 

 

 

 

何事も悟っているようなふりをした

 

 

 

 

 

 


己の陰は己しか見えない

 

なのに己では無い何者かが、陰を踏みつける

 

 

 

見かけの陽は神々しいほど

真実は残酷だ

 

 

 

 

 

主は死なないペットを手に入れた

蹴っても投げても形は特に変わらない

 

主は死なないペットを手に入れた

ズタズタになるのは主だけだった

 

 

 

 


何故ここをわざわざ通るのか

 

 

ただ日焼けしたくないからだったが

ここはなんとなく最低で安全な悲しい匂いがする

 


通らずに始まる日常は、

どうせ食べる時に

チョップしてかち割る煎餅が

初めから割れていた時に抱く想いに近い

 

 


特にお気に入りでもない

なんとなく使い続けていた化粧品が

知らぬ間に廃盤になっていた

 

 

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