あんた。

日常に溶け馴染む五感

2019-01-01から1年間の記事一覧

雨のち曇り時々、金木犀

いない夏でも暑かったから いない冬もきっと寒いし いる冬もきっと寒い 彼女は大きくなってから 会った記憶がない 共有した時間 という形は覚えいるが 覚えていることの方が少ない だけど、 波長が合っていた感覚は残っている いや?そう思いたいのかな そう…

遠退くあの夏の体温

何に悩んでいるのかわからないなあ わからないなあ わからないなあ いろんなものをゲットしちゃったし いろんなものが手からすり抜けていった ランドセルの色を選べなかったとか もうどうでもいい やりたい習い事をできなかったとか もうどうでもいい お年玉…

未完成という美学との共存

体育館にいるのに 踏切の音 教室にいるのに 小児科で流れていた オルゴールの音 家いるのに 地震速報のアラーム音 風呂にいるのに 信号機の音 自転車を漕いでるのに 家電の音 外部から鳴ってないのは わかってる 体内で鳴っている 急に始まって 止まらなくて…

想う思い重い

どうやら 母の腹のなかに 色々落っことしてきてしまった と言えばいいのか、 正しくは置いてきたと言うのか いや? そもそも造りが悪いだけなのか きっと両方だろうなあ なんて、また 自分自身ではない誰かのせい にしてしまうのだろう。 生まれたときに看護…

脳外失踪

ガラスから漏れる 冷たい色 金木犀の葉の輪郭を 優しく 囲い、撫でる 天から 落ちてくる音は アスファルトに潜り馴染む 漂う 匂い 擦れ 溢れ 舞う チョークの粉と退屈な箱の中で 無色透明と隣 窓際の最後列 左にあるオムライス星の手相をなぞる 気づけば い…